矯正治療の流れ
1.初診時矯正相談(初診カウンセリング)
患者さんのお口の中を拝見して、歯並びの状態と矯正治療について1時間程度ご説明いたします。当院の豊富な症例アルバムの中から、同じような症例の治療例をご覧いただきます。通常の矯正治療では健康保険が適用になりません。
※初診の矯正相談は予約制ですので、お電話でご予約ください。
2.検査とブラッシング(歯磨き)指導
治療を希望される場合は1時間~1時間30分程度の検査を受けていただきます。
歯並びの状態、むし歯、歯周病、顎の関節や筋肉の状態について診察いたします。
お口の中と顔の写真を撮ります。
歯型をとります。
顎と頭部のレントゲン写真を撮ります。
手のレントゲン撮影や、必要に応じてCT・MRIの撮影、顎や顎のまわりの筋肉の動きを調べる検査などをします。
15分~30分程度、歯科衛生士によるブラッシング指導を受けていただきます。
3.検査結果のご説明(診断)
検査を受けた日から7日以降に、1時間程度、検査結果のご説明をいたします。
歯並びはどのような状態か(診断結果)、歯並びを治療するにはどのような矯正治療が必要か(治療方針)についてご説明いたします。また、治療費もご説明いたします。
4.ご契約
当院では検査結果のご説明(診断)の後、別途、契約の日を設けさせていただいております。
ご契約の際には、治療方法や料金の再確認、治療意思の確認と同意、当院より治療へのご協力のお願いをご説明いたします。
その他、以下の内容を必要に応じて行います
- 歯のクリーニングだけでなく、歯石を取り除いたり、歯ぐきのマッサージなど指導します
- 予防としてフッ素塗布を行うことがあります
- 舌の運動の指導や、お口・顎の周りの筋肉の訓練を行います
- 生活習慣の指導を行います
5.矯正装置装着
矯正装置をつける時間は30分~1時間30分程です。矯正装置を装着した後に、歯科衛生士によるブラッシング指導と口腔内のクリーニングを30分程度受けていただきます。また、装着した装置の取り扱いや、日常生活で注意すること、トラブルについてをご説明いたします。
6.矯正装置の調節
1ヶ月に1回程度の通院時に矯正装置を調節します。
ブラッシング指導と口腔内のクリーニングも行っております。
「○○が痛い!」「装置が取れた!」など緊急時には、早急に対処しますのでご連絡ください。
7.矯正装置の撤去と保定
矯正治療終了後に矯正装置を撤去します。
※矯正治療終了までの期間は、治療内容により変化します。
矯正装置を外しても、治療は終わりではありません
矯正治療が終わり矯正装置を外しても、そこで治療が終わりではありません。綺麗に揃ったように見える歯並びですが、まだ完全に固定しておらず、放っておくと元の悪い歯並びや咬み合わせに戻ろうとします。
そこで、矯正装置を外してしばらくは保定のための装置(リテーナーや保定床など)を使用して綺麗な歯並びを支える骨がしっかりするまでサポートします。矯正治療は、装置をつけて歯並びを整える期間と、整った歯並びを固定する期間があるのです。
保定期間について
矯正治療終了後、保定処置をせず放っておくと、歯並びに「後戻り」という現象が起きてしまいます。後戻りを防ぐために保定期間中は3~4ヶ月に1回通院していただき、3~4年間ほど定期検診を受けていただきます。
3~4年後に綺麗な歯並びが安定していることを確認して終了になります。
※年数は治療内容により変化します。
※成人で上下の顎の骨の関係がずれていたり、顎が変形してゆがんでいる場合は、外科的矯正治療といって手術を併用した治療を受けることになります。このように手術を前提に行う矯正治療は、当院のような指定医療機関で矯正治療を受けた場合に限って健康保険が全額適用になります。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。
また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。 - 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- さまざまな問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。
加齢や歯周病等により歯を支えている骨が痩せると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。