成長期の矯正ストーリー
お子さんの将来とご家族の幸せを大切に【成長期の矯正ストーリー】
「子どもの歯並びが気になる」
「矯正治療って、いくつぐらいから始めたらいいの」
「子どもの矯正治療について知りたい」
最近は、むし歯予防が広まり、子どものむし歯はかなり少なくなりました。その一方、食生活の変化から顎が小さくなり、歯並びに問題のある子どもが増えている印象があります。お子さんの歯並びが気になる親御さんは多いことでしょう。
子どもの場合、成長を利用して効果的な矯正治療を行えます。子どもは大人より適応力があり、早く治療を始めることで、将来予想される悪い歯並びを避け、永久歯が正常な位置に生えるように誘導することが可能です。お子さんの将来を見据え、健やかな成長に導くために、当院の小児矯正(成長期の矯正治療)をお役立てください。
小児矯正により、成長してからの矯正治療が不要になることがあります
小児矯正は、乳歯列期と永久歯に生え変わる混合歯列期に行う第一期治療と、永久歯が生え揃ってから始める第二期治療に分かれます。
第一期治療では、顎の成長発育をコントロールし、不正咬合の複雑化の防止や改善を目的に治療を行います。また指しゃぶりや舌の癖、口呼吸など歯並びに悪い影響を与える悪習癖を取り除くトレーニングも行います。この時期に治療を行うことで、第二期治療が不要になる場合があり、多くの場合、歯を抜く矯正(永久歯の抜歯)を避けられます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)
診査診断後、独自のシミュレーションソフトを通じ、コンピュータ画面上で治療完了に至るまでの総合的な治療計画を立てます。治療計画に基づき、透明なマウスピース型の矯正装置を作り、通常2週間ごとに新しいアライナーに交換しながら、1日22時間以上装着します。
アライナーは段階的に形が変えてあるので、その形に合わせて歯はゆっくり理想の位置まで動きます。その数は症状によって異なります。マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、最初の段階ですべての矯正装置を作成しますので、その後の通院は、患者さんの都合に合わせて調整できるので、忙しい方に適した治療法です。
※薬機法未承認の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
【3の倍数の年齢】を目安に、適切なタイミングで矯正治療を行います
当院では、お子さんそれぞれの成長に合わせて、適切なタイミングでの効果的な治療を目指しています。そのために、歯並びが気になる方には、3年ごとのチェックをお勧めしています。
【3歳】歯並びが気になる場合は、まず3歳で矯正歯科を受診しましょう
3歳は、乳歯が20本生え揃った頃です。
まず、歯並び、咬み合わせを確認するとともに、歯並びに悪影響を与える悪習癖、全身の成長、食生活などを確認します。「立った時に肩が下がってないか」「背骨がゆがんでないか」「横から見た時に前屈みではないか」と姿勢のチェックを行います。
この時期に見られる出っ歯や受け口は、遺伝的な要素もありますが、多くは指しゃぶりや口呼吸などの癖や生活習慣が関わっていることが多いので、早めに改善することが大切です。当院では、正しい呼吸や食べ方、舌の置き方など細かく指導します。また、乳歯をむし歯にしないことも重要ですので、乳歯の大切さや適切な予防について保護者にアドバイスします。
【6歳】歯並びの目安となる歯が生えてきます
6歳は前歯が永久歯に生え変わり、6歳臼歯が生え、前と後ろの基準点ができてくる時期です。上下の前歯の中心が揃っているか、6歳臼歯が正しい位置に生えているか、正しい咬み合わせになっているか、奥歯が生える幅があるかなどを確認します。また、指しゃぶりや爪噛みなどの癖、口呼吸、姿勢に問題があれば改善します。併せて口腔周囲筋の機能を確認して、必要ならばトレーニングを行います。
6歳になると、お子さんの理解力が発達し、装置を着けられるようになってきます。特に、この段階で受け口(反対咬合)になっていたら、矯正装置を装着して治療を開始します。
【9歳】永久歯に生え変わる時期。上顎の成長を確認し、第一期治療を行います
9歳は、永久歯への生え変わりが顕著になり、上顎の成長がいちばん盛んな時期です。上顎のアーチの形が狭ければ、広げる治療を行います。また遺伝的な要因がはっきり現れてくる時期なので、細かな診断と必要に応じた治療を行います。
6歳の時に経過観察した場合は、顎の横の広がりや、悪習癖が改善しているかを確認し、必要な治療を行います。
【12歳】生え揃った永久歯の位置を確認します
生え変わりがほぼ終わり、上下の永久歯が12本ずつ揃い、子どもによっては7番目の歯(第二大臼歯)が生え始める時期です。
この段階は、小臼歯が正しい位置にあるかを確認します。また上顎の成長が終わる時期なので、前歯の位置や、下顎の前後的な成長に注視しながら治療します。将来的に抜歯が必要かどうかの判断もできるようになります。
【15歳】第二期治療を開始します
7番目の歯(第二大臼歯)が生え、歯や顎の成長がほぼ終わる時期です。ただし、受け口(反対咬合)の場合は、まだ上顎と下顎の成長のバランスをみることがあります。
多くの場合は、第二期治療を始めます。親知らずの生え方をレントゲンで確認し、第二大臼歯に悪影響を与えている場合は治療を行い、将来的に顎関節症にならないように、奥歯のコントロールを行います。
【18歳】成長が止まり、ほぼ大人と同じ歯並びになります
ほぼ大人と同じ歯並びになります。ほとんどの場合、顎の成長は終わっていますが、受け口(反対咬合)の場合は、20歳頃までだらだら下顎が伸びることがあります。このタイプは、下顎の成長が終わるまで経過観察を続けます。場合によっては外科的矯正治療を検討します。
また、進学や就職で地元を離れるお子さんが多いので、ご事情をお聞きしながら新生活の前に第二期治療を終わるように治療計画を立てます。どうしても矯正治療が終わらない場合は、転居先の矯正歯科をご紹介するなど、お一人ひとりに合わせた対応を心がけていますのでご相談ください。
未承認医療機器の使用について
●未承認医薬品等の使用・国内の承認医薬品等の有無について
(未承認医薬品等の使用)
当院で使用していますマウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名:インビザライン®)は、日本国薬機法上の医療機器として認証・承認を得ていない装置であり、日本国歯科技工士法上の矯正装置にも該当しません。そのため、万が一海外カスタムメイド矯正装置使用中に違和感等ございましたら、すぐに当院までご連絡をお願いします。
装置は、日本で歯科医師・歯科技工士が製作するのではなく、海外の工場でロボットにより製作されます。カスタムメイドの矯正装置であり、既製品ではないため(市場流通性がありません)、薬機法の対象となりません。薬機法の対象外であるため、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない場合があります。その点ご了承ください。
(国内の承認医薬品等の有無)
マウスピース型カスタムメイド矯正装置のメーカーは国内外に多数あります。インビザライン®以外に、日本国で承認を得ている矯正装置を用いた治療法が存在します。
※上記の趣旨をご承知の上、使用を希望される場合には同意書の記載が必要となります。
●入手経路について
当院が使用するマウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名:インビザライン®)は、米国アライン・テクノロジー社の製品です。当院はインビザライン®を用いた治療システムを、米国アライン・テクノロジー社のグループ会社である「アライン・テクノロジー・ジャパン株式会社」より入手しています。
●諸外国における安全性等の情報
インビザライン®は、1998年にFDA(米国食品医薬品局)により医療機器として認証を受けていて、これまでに治療を受けた患者さんは、世界で520万人(2018年1月時点)に上りますが、重大な副作用の報告はありません。ご不明点等ございましたら一度ご相談ください。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。
また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。 - 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- さまざまな問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。
加齢や歯周病等により歯を支えている骨が痩せると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。