顎関節症/歯科口腔外科
顎関節症の原因の1つである咬み合わせの問題を改善します
- 顎を動かすと、カクカク異常な音がする
- 口を大きく開けられない
- 咬み合わせたときに違和感がある
- 物を食べると顎が痛くなる
- こめかみや頬骨を押すと痛みがある
- 朝起きると顎の動きが鈍い
このような症状でお困りの方はいませんか?もし顎の関節に強い違和感があれば、顎関節症の疑いがあります。放置していると症状が悪化しますので、早めに歯科口腔外科がある歯科医院に相談することをお勧めします。
顎関節症は現代人に多い症状
顎関節症とは、顎の関節や筋肉の働きに異常があり、違和感や痛みが現れる症状です。ある調査によると「アメリカ人の40%は顎関節症の症状がある」という報告があります。現代人に多い症状の1つであり、日本人も顎の痛みや違和感を訴える人が急増しています。
顎関節症の主な症状
顎関節症の症状は、顎だけでなく、頭痛や肩こりなど全身に現れることがあります。
<顎に現れる症状>
- 顎やこめかみの筋肉のこりや痛み
- 顎関節の炎症や痛み
- 顎関節のクリック音(カクカクした音)
- 顎関節の脱臼や異常な動き
- 咬み合わせのズレ
- 顔や頭、顎の骨のゆがみ
など
<全身に現れる症状>
- 肩や首のコリ
- 頭痛、めまい、耳鳴り
- 睡眠障害
- 飲食物を飲み込みづらい
- 自律神経失調症
- うつ病
など
顎関節症の原因には、咬み合わせの異常や食いしばりなどがあります。咬合面が高すぎたり低すぎると、咬み合わせが悪くなります。咬みしめたときに力のバランスが崩れると、歯に強い力が加わって顎の関節に負担がかかります。そのため、顎の筋肉も緊張して痛みや違和感が生じるのです。
また、精神的なストレスも顎関節症の原因の1つで、ストレスを緩和しようとして奥歯でぎゅっと咬みしめて顎に負担がかかる、といわれています。
顎関節症の治療
顎関節症は顎関節の病気です。通常の歯科医院では診断が難しく、歯科口腔外科の領域です。歯科医院で診断を受けるときは、診療科目に歯科口腔外科を掲げているかを目安にするとよいでしょう。
当院では歯科口腔外科の診療も行っています。矯正を専門として治療する歯科医師の立場から咬み合わせと顎関節の関係を診断し、顎関節症を治療します。
顎口腔機能診断装置を使った顎関節症の診断
咬合診断・顎口腔機能を診断する装置です。顎関節症の治療では、顎口腔機能診断装置で下顎の動きを確認します。顎の位置や顎関節、筋肉の働きを計測して診査・診断を行うことで、歯・顎・筋肉バランスを考えた治療ができます。治療後、どこまで口を開けられるようになったかを調べ、顎関節症の改善を判断します。
顎関節症の主な治療法
マイオモニター(低周波治療機器)療法
筋肉の緊張をほぐす低周波治療機器です。顎関節症の方は、側頭筋(こめかみ)や咬筋(頬の筋肉)の緊張が強い傾向にあります。筋肉が緊張していると顎関節に負担がかかり、顎の動きが悪くなるので、低周波を当ててほぐします。45~60分ほど低周波を当てるとこめかみや頬の筋肉がほぐれ、緊張の和らぎを確認できます。
※保険適用です。詳しくはご相談ください。
マウスピース療法
顎関節症治療用のマウスピース(スプリント)を装着して、顎関節症を治療します。顎関節の関節円板がズレていると顎の動きや咬み合わせが悪くなり、顎関節症を引き起こします。マウスピース療法では、顎関節症治療用のマウスピース(スプリント)を装着して、上下の歯で咬み合わせたときの力を均等にし、顎関節にかかる力を軽減します。同時にお口周りの筋肉の緊張がほぐれます。
成人の場合、数ヶ月~1年ほどで顎関節の改善が見られます。小児の場合は、下顎が正しく発達して発育や成長が促されます。
※顎関節症治療用のマウスピース(スプリント)は保険適用で作ることができます。詳しくはご相談ください。
薬物療法
顎関節症が悪化すると痛みが伴って、お口の開閉が困難になります。強い痛みがある場合は痛みを取り除くことが先決なので、薬物療法で痛みをコントロールします。薬物療法は、症状に応じて薬を処方します。たとえば激しい痛みには鎮痛剤、顎の筋肉の緊張が強い場合は筋弛緩薬です。また、ストレスからくる顎関節症の場合は、抗不安薬を処方することがあります。
※保険適用です。詳しくはご相談ください。
レーザー療法
顎関節症で痛みや開閉困難な症状があるときは、レーザー療法で緩和します。顎関節の部分にレーザーを照射すると血行がよくなり、痛みが和らいでお口が開きやすくなります。皮膚の上から直接レーザーを当てますが痛みはなく、じんわり温かくなります。
顎関節症の治療の流れ(例)
Step1. カウンセリング
生活習慣を含めた問診と、各種検査を行います。検査内容は、咬み合わせや筋肉の張りのチェック、顎関節部のレントゲン撮影やCT撮影などがあります。
Step2. 診断
診査結果をもとに診断し、治療計画を立てます。
Step3. 咬み合わせの調整
必要があれば、歯の咬む面を削ったり盛って咬み合わせを安定させます。
Step4. 顎関節症治療用のマウスピース(スプリント)の製作
歯型を採って、個人に適した顎関節症治療用のマウスピース(スプリント)を製作します。治療期間中は装着したまま就寝していただきます。通常は、数ヶ月程度で顎関節症が改善しますが、治療期間は症状などによって異なります。
Step5. 被せ物の製作
顎関節症治療用のマウスピース(スプリント)を用いた治療で顎関節症が改善した後、安定した状態を維持するため、被せ物を作り直したり、詰め物を詰め直したりすることがあります。
【歯科口腔外科】親知らずの抜歯も当院でできます
親知らずが痛くて歯科医院に行ったのに、抜歯ができないと断られた経験はありませんか?親知らずが横から生えていたり顎の骨の中に埋まっていると、一般歯科での抜歯は難しく、大学病院の歯科口腔外科や歯科口腔外科医のいる歯科医院での処置が必要です。当院は歯科口腔外科も対応していますので、特殊な場合を除き、複雑な親知らずも院長が抜歯いたします。
歯科口腔外科とは
歯科口腔外科とは、外科手術が必要な口腔内の治療です。あまりなじみのない診療科目ですが、骨の中に埋まっている親知らずの抜歯や顎の手術といえばおわかりになると思います。
主に、一般歯科では難しい歯や親知らずの抜歯、口腔内のでき物の除去手術、顎骨の手術、腫瘍の手術などが挙げられます。歯科口腔外科の領域は幅広く、咀しゃく・嚥下・発音などの顎口腔機能全般から、内科的処置やストレス障害まで、多岐にわたります。